夢野久作『少女地獄』~何んでも無い~解説徹底考察

読書感想

文学の読みほどき方

「純文学」の読みほどき方

 小説は登場人物の心境の変化を直接的に書きません。

 書き出し、「私は落ち込んでいる。」

 と書き、
 
 結び、「私は希望で胸いっぱいになった!」

 なんて直接的な表現ではつまらないですからね。

 登場人物の心境の変化を

 書き出し、「毎日が暗い夜道を歩いているようだ。」

 と表現し、

 結び、「日が昇り、太陽が私を照らした。」

 というように、なんらかの表現をして描きます。

 このように、

 純文学は「書き出し」と「結び」を「対比」してみると、

 掴みやすくなります。

本作の読み解き方 

 本作の「書き出し」と「結び」を見てみましょう。

 「書き出し」も「結び」も、

 主人公の臼杵医師が白鷹医師に宛てた手紙になっています。

 その内容からは、
 臼杵医師が 姫草ユリ子が自殺してなお、
 姫草ユリ子に囚われ続けていることが分かります。

 最初から最後まで臼杵医師は、
 姫草ユリ子が作り上げた嘘を嘘で塗り固めた、
 幻想の世界に飲みこまれたままなのです。

まとめ 「母性」と「父性」の観点で読む。

 「父性」と「母性」の観点で、

 登場人物を見ると、人物の心理がわかります。

 「書き出し」と「結び」を「対比」すると、心境の変化が分かります。

 是非、この観点から読んでみてください!

 参考文献:『父性の復権』『父滅の刃~消えた父親はどこへ アニメ・映画の心理分析』

created by Rinker
KADOKAWA
¥704 (2024/04/26 06:51:03時点 Amazon調べ-詳細)
created by Rinker
¥258 (2024/04/26 11:04:44時点 Amazon調べ-詳細)
created by Rinker
¥1,584 (2024/04/26 14:13:53時点 Amazon調べ-詳細)

コメント

タイトルとURLをコピーしました