【オススメ本!】中野信子著『サイコパス』

読書感想

平気でウソをつき、罪悪感ゼロ
そんな「あの人」の脳には秘密があった! (裏表紙より)

サイコパスの特徴

ありえないようなウソをつく

常人では考えられない不正を働いても平然としている

残虐な殺人や詐欺事件をおかしても反省の色をみせない
(むしろ自分の正当性を示す手記を公表する)

外見は魅力的で社交的、トークやプレゼンがうまく、
関わった人は騙されてしまう。

性的に奔放・・・

脳の特徴を見ると・・・

サイコパスは眼窩前頭皮質の活動が鈍いことが分かっています。
ここは、配慮、共感、利他、社会脳を司っています。

サ「共感性」が欠如している特徴ゆえ。
平然と他人に酷いことができるのですね。

他にも常人なら
「こんな危険なことはやめておこう・・・」
と判断する偏桃体や、

「こんな犯罪行為をしたら直ぐに捕まってしまう!」
と学習する、海馬の大きさが左右非対称であることが分かっています。

このように本書ではサイコパスを脳の特徴と照らし合わせて
分析します。

高いサイコパシーが求められる仕事もある。

本書でおもしろかったのが、現代にまでサイコパスが
一定数生き残っているということは、

人類が生き残っていくために必要な存在であったから、
という仮説です。

不要であればそんな特徴や機能は削除されてなくなっているわけですからね。

人類はアフリカで誕生後、短期間に急速に分布域を拡げています。
リスクを恐れず、未開の地への開拓を試みたからです。

戦場、宇宙探査、危険物の処理、外科手術、外国交渉、新しい食糧の確保
原因不明の病気の究明・・・

リスクに直面しても恐怖や不安を感じない、共感性が低い、
平気でウソがつける存在が必要とされる状況はいくつもあります。

本書を読むと「正常」と「異常」の境界があいまいになる

ニュース番組をみて、
誰かが傷ついているところをみたとき
胸が傷むことってありませんか?

共感、愛着、良心・・・

これもヒトという種が繁栄していくために便利だから、
優位になるから残った機能に過ぎないと思うと・・・

人が持つ心は、素敵な心、と思っていたのに、
生き残るために必要だからある機能だと思うと・・・

すこし、むなしい気持ちになります。

しかし、

いいかえれば、

私たちがこうして現代にまで生き残っているということは、
現時点での最高傑作、結晶であることに違いなく、

そう考えたとき、無力な自分や、個性のない自分、
コンプレックスの塊である自分の中に
少し勇気を持てるようになりました。

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