理想的な世界とは何か、を考える。アーサー・C・クラーク『幼年期の終わり』

読書感想

仏教関係の本を読んでいると、
悟りを開くことの難しさが ひしひしと伝わってきます。

「煩悩を抱えた人が、 生きながらに悟りを開くことはない」
とさえ書いてあります。

もし仮に、 悟りを開くことができた人間がいたとしたら、
それはどんな姿で、どんな境地なんだろう・・・。

また、「受動意識仮説」と照らし合わせると、
完全に自意識を取り払ってしまったら、

人は無意識のみで動いてしまうが、
「悟り」とはそんな境地なのだろうか。

これが私の、最近の、興味であり、「問い」です。

アーサー・C・クラーク著『幼年期の終わり』

「悟りの境地とはいかなるものか」
という関心を抱いていたところに
ドンピシャな一冊に出会いました。

アーサー・C・クラーク著『幼年期の終わり』
です。

以下、ネタバレ有りです。

物語は――

地球外生命体の尽力により、
人類の力では到底なし得なかった問題を
次々と解決していきます。

――ここまでが第一段階です。

例えば、紛争、人種差別、環境問題。
労働環境も改善されます。

労働はほぼロボットがまかない、
人の週の労働時間は20時間程度
日用品は無料で手に入ります。

人々は時間をスポーツ、文化、芸術に充てるようになります。

なんと! これは、ユートピア!

悩み、苦しみ、争いのない世界に生まれてきた子どもたち

物語の第二段階では、
理想郷となった世界に生まれてきた子供たちに
変化が訪れます。

超能力の覚醒です。

覚醒した子どもたちは、

体だけを地球に残し、意識を宇宙に飛ばして探検したり、

子どもたちどうしで、意識を共有したりといったことが

できるようになります。

やがて、身体という境界も曖昧になります。

かなり仏教的です。

完全に、差別、区別、分別を超越しています。

仏教では、
自己の身体をよりどころとしない、
つまり、執着しないことで、苦しみから脱しよう、という教えもあります。(※)

(※ 仏教について誤解を与えたくないので、
付け加えておきますが、これはかなり端折った、

私の極端な説明であることをお伝えしておきます。)

完全に、差別、区別、分別を超越した世界の実現!

覚醒し、肉体という境目をなくし、意識を共有した子どもたちは

目が虚ろで、手足をバタバタさせた不思議な踊りをおどり、

超能力で天変地異を起こし、魂は飛び立ち、1つの思念体に統合していきます。

――境目のない世界――

私が想像していた悟りを開いた人の姿であり、

それどころか、全人類が悟りを開いちゃってます。

そりゃあ、超能力の1つや2つ覚醒しようというものです。

これは、ユートピアの実現なのか?

あらゆる、争い、差別、区別、個人のはからいも消滅しました。
平たくいえば、ノンストレス、ストレスフリーな世界が実現しました。

しかし、

これは、

人類の勝利なのか、

人類にとっての幸福なのか・・・。

問題提起をするかのように、明確な答えを示さず、

モヤモヤを残して物語は終わりを迎えるのです。

【幸福のヒント】

ノンストレス、ストレスフリーな世界=ユートピアではない・・・?

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