なにかを「嫌う」という感情はよくない感情だと思っていませんか?
本書はその「嫌う」という感情、機能にスポットを当て、
なぜ、「嫌う」のか、なぜそういった感情、
なぜ、そのような機能が備わっているのか、
どうすれば上手く「嫌う」という感情を運用できるのかについて
脳科学的にあきらかにした本です!
「和を以て尊しとなす」
「和を以て尊しとなす」 ということばのように、
われわれは、幼稚園や、小学校のころから
みんなと仲良くしましょう、
うまくやりましょうと教えられてきました。
好き嫌いなく、
みんなと仲良くやれる子が
親や先生から褒められ
「嫌いっ!」という感情をあらわにして
クラスからなじまずにいると、
大人たちから異質な存在としてみられてしまいます。
そういった教育上の刷り込みによって、
わたしたちは「嫌いっ!」という感情は
持ってはいけないんだと「嫌いっ!」を
「嫌う」ようになってしまっているのです。
しかし、
「嫌いっ!」という感情は人間の機能として備わっている以上、
必要だからその機能が備わっているのです。
「嫌いっ!」は防衛本能
社会的に成功している人ほど
「虫の知らせ」「直感」を大切にしているといいます。
例えば、
この人と付き合うのは嫌な予感がする、
この食べ物はなんか嫌いだ
この選択肢はよくない気がする
これは遺伝子に刷り込まれた習性、
リスクを回避する防衛本能なのです。
「嫌いっ!」の運用
本書でおもしろいなと思ったのが
AKBの楽曲の作詞でおなじみの秋元康さんは
「定期的に嫌いな人と会う」ようにしているそうです。
嫌いな人と会うことによって
どうしてこの人が嫌いなのか
何をされると嫌いという感情を覚えるのか
観察、分析することにより、
自分の人生経験に活かすことができたり、
学びに変えることができると言います。
「自分が嫌い」
「自己嫌悪」は若い人にありがちな感情です。
これは、周囲から攻撃されるのを恐れて
先に自分で自分を攻撃することにより、身を守っているのだそうです。
しかし、
「自分のこういうところが嫌い」
「自分のこういうところがダメなんだ!」
というのは、
裏を返せば、
自分の「資質」に気づいているということです。
紙に書き出すなどして
「事実」と「感情」を切り離せば、
「成長の芽」が隠れていることに気づきます。
・判断が遅い>慎重
・せっかち>判断が速い
・口が悪い>はっきり自分の気持ちを言える
・優柔不断>空気が読める
などなど。
得意分野、不得意分野がそれぞれあり、
不得意分野は得意な人に任せて
自分の特技、特性、性格、得意を発揮する分野でリカバリーすればいいのです。
その他
本書には、その他にも、「嫌いっ!」の効用と戦略的な運用術について
様々なことが書かれています。
「嫌いな人との付き合い方」
「家族に対する嫌悪感」
「嫌いなこととの向き合い方」
などなどの章があります。
「この人が嫌いっ!」
「この仕事が嫌いっ!」
ということを “ただ” 我慢、“ただ” 努力をしていると、
ずる賢い人に搾取され続けてしまいます。
「嫌いっ!」をじょうずに運用すれば
人生を実りある豊かなものにしてくれます。
本書にはその為の運用術がたくさん書かれています!
とっても勉強になりました!オススメ本です!
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