【映画考察】 映画において注目すべきシーンとは? ――『キネマの神様』編

映画感想

 映画、特に家族をテーマにする作品で注目すべきシーンはどこだと思いますか?

 このシーンに注目すると、「家族関係」がよく分かります。

 答えは「食事のシーン」です。
ここで家族がきちんとまとまっているかどうかが、よく分かります。

 『キネマの神様』の「食事のシーン」では、郷直が大黒柱としてまるで機能していないことがよく分かります。

《キネマの神様食事のシーン》

夕食時、郷直と妻と娘が口論になり、郷直は娘たちから三下り半を突き付けられます。

そこへ孫の勇太がふらっとやってきて夕食をお盆に乗せ「部屋で食べるから」と言い、ダイニングをあとにします。 勇太は自室で1人で食事を摂ります。

勇太はおかずを切り分ける時、2本の箸を両手で持ちながら引き裂くように切り分けて食べます

 短いシーンですが大黒柱の郷直に「家族をまとめあげる」「子にルールやマナーを教える」と言った父性が働いていないことがよく分かる演出となっています。

 父性がきちんと働いていないと、子供の無気力、引きこもりの原因となります。

 実際に孫の勇太は内向的な性格です。
実の父は離婚して家にはいませんし、 祖父の郷直はこの調子なのでこの家に父性的行為を働く存在はいません。

 父性の悪影響の例をもう1つ挙げると、エヴァンゲリオンのシンジくん。
彼の父親のゲンドウは厳格過ぎます。よってシンジくんは内向的な性格に育ちました。

 特に家族をテーマにした物語作品で「食事のシーン」は注目ポイントです。
是非チェックしてみて下さい!

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