人種差別の糸口
ネグリチュード
ネグリチュードとは、
「自分たちは黒人である!」
それを肯定し、黒人の歴史、文化を引き受け、
黒人固有の文化を高揚させよう!
という運動です。
ファノンも、フランス留学時の
差別から立ち直るため、
また、
差別解決の糸口として
ネグリチュードに着目しました。
黒人であることを尊び、
黒人であることがいかに
素晴らしいかを
主張しようといたのです。
サルトルの見解
フランスの哲学者サルトルは
ネグリチュードの運動を評価する一方、
独自の見解を示します。
サルトルの考えの根本は
「人は、他者のまなざしによって自分が規定される」
といったものです。
白人のまなざしがあるからこそ、
黒人は、それに対抗しよう、反発しようとする。
つまり、
これは白人に対するアンチテーゼとしての
アイデンティティの確立であり、
これでは差別を根本から解決することはできないといいます。
差別問題の解決策の罠
これは差別について論じるとき、
陥りやすい罠です。
例えば、
男女の不平等をなくそうと
議論していたのに、
いつの間にか、
「女性はこんなにも素晴らしい!」
「男性よりも優位である!」
「男性は不要である!」
といった論理にすり替わることがあります。
差別をなくすこと、平等にすることが
目指すところであるのに、
いつの間にか、一方が一方をしいたげようと
しているのです。
差別の問題を議論するときは、
差別をしかえすことが
差別をなくすということではない、
ということは覚えておいたほうが
よさそうです。
(次回に続きます。)
黒い皮膚・白い仮面 Part2
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