本書は、
なぜ、差別意識は生まれるのか
また、それによって人に与える影響は
どのようなものか。
違いを乗り越える社会を作るには
どうすればよいか、
自らも差別を受けながら著した
25歳当時のフランツ・ファノンの叫びです。
ファノンの生い立ち
ファノンはフランス領
西インド諸島の島に
生まれました。
幼い頃からフランスの文化に触れ、
母もファノンに、フランスの歌をうたって
聞かせたといいます。
1939年、第二次世界大戦が勃発すると、
フランスのために、フランス自由軍に志願します。
しかし、
そこで目の当たりしたのは人種差別でした。
フランス自由軍には、
西アフリカからきた
セネガル人が最下層におり、
命を投げ出すような危険な任務に
当たらされていました。
ファノンは自分はフランスの人間だから
自分の黒人と、あの黒人は違うものだ、
と、思い込んでいました。
ファノンは無意識のうちに
白人文化の価値観に
染まっていたのです。
しかし、
フランス人からみれば
フランス領生まれの黒人も
南アフリカの黒人も
同じ黒人です。
ファノンはそのとき、
自らも差別の対象であることを
知るのです。
1946年、戦争も終わったころ、
ファノンはフランスへ留学します。
ある日そこで、
子供に差別的な発言を受けました。
指を指され、黒人だ!怖い!
と。
自分は無意識のうちに
白人文化に染まっていたので、
自分は白人文化圏の人間、
フランスの人間であるという
絶対的な価値観がありました。
しかし、子どもの無邪気なひとことによって
自分が客体化されたのです。
自分の価値観が根幹から揺さぶられてしまいました。
これまで、自分自身も人種差別をいしていたし、
自分も差別の対象であったのだということを
深く思い知らされたのです。
次回、より詳しく内容をまとめていきます。
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