【本の要約・気づき】『存在と時間』ハイデガー著――エスカレーターを歩くという同調圧力

読書感想

NHK 100分de名著

特集より、番組テキストから

内容をまとめました。

人は「世人」に従って生きている

「世人」とはなにか

ハイデガーは、

全ての人は、「世人」に従って生きている

といいます。



「世人」とは、

「空気を読む」という言葉の「空気」

「世間体」「世間の目」という言葉の「世間」

それらの意味合いを総括した概念です。


例えば、


みんな、この場所にごみを不法投棄しているから、

自分もする」


みんな、エスカレーターで歩いているから、

自分も歩く」


「みん
、SNSで炎上騒ぎを起こした張本人を

叩いてるから、自分も叩く」


この「みんな」が、「世人」です。



「世人」に実体はありません。

自分にとって都合がよく、

責任をなすりつけやすい存在、

それが「世人」です。


「世人」は空気のようなものです。

絶えず私たちを包み込んでいます。



ハイデガーは、

全ての人が、日常生活の

行動、判断、において

「世人」に従って生きている、

と言います。


なぜ、人は「世人」に従って生きているのか

なぜ、人は「世人」に従って生きているのか。



ハイデガーの答えはいたってシンプルで、

「世人」に従ってさえいれば、

同調してさえいれば、安心だからです。



例えば、

いじめに加担している人の場合、

それぞれが明確な意思を持って

いじめているのではなく

みんながいじめているから」

という理屈でいじめています。



そうすることで、

私のせいではない、みんなのせいだ

という責任放棄が

可能となります。



また、いじめている者たちは

「次にいじめられるのは誰なんだ・・・」

といった不安感でいっぱいです。



そこで、とりあえず「世人」に従うことで、

かりそめの安心感を得ています。



私は同調圧力に屈さない!

私は常に同調圧力に屈さない!

自分の意見を通す!

空気は読まない!

という人もいると思います。



しかし、それこそが

「世人」を意識しての行動であり、

「世人」という概念の中に

私たちはいることの証明になります。



「世人」に従わない生き方をすると、

人として意味の体系を失った行動様式、

つまり、野生動物のようになるでしょう。



では、私たちはどうあっても

「世人」からは

逃れられないのでしょうか。



それについては

次回まとめていきたいと思います。

(次回に続きます。)


【本の要約・気づき】『存在と時間』ハイデガー著

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