ヴァーツラフ・ハヴェル『力なき者たちの力』

読書感想

100分de名著 ヴァーツラフ・ハヴェル『力なき者たちの力』放送回をもとに

気づきを書き留めておきます。

ヴァーツラフ・ハヴェル

1970年代のチェコの共産主義体制に抗った劇作家で、

その活動は民衆を惹きつけ、

チェコ共和国初代大統領に就任するようになります。

私の気づき

共産主義体制下では民衆を締め付け、統制し、管理しようとします。

対比されるものを下記にまとめました。

ボスト全体主義 ⇔ 個人

体制  ⇔  生

統一  ⇔  複数性

単一性  ⇔  多様性

規律  ⇔  独立した自己形成や自己編成 (自身の自由の実現)

一神教の世界では、絶対的な答えがあり、異論・異端・異物は排除されます。

しかし、われわれ個人が望むものは多種多様です。

どちらが良い、悪い、ではなく、一長一短あると思います。

例えば、社会にとって規律や統率は必要です。

個人が好き勝手していると社会は成立しません。

また、多様性が膨らむと境界があいまいになったり、
ハッキリとした答えが出ないというデメリットもあります。

芸術、文化は前―政治的な領域

面白いとおもったのが、

教科書的なもの以外の生き方・表現を教えてくれるのが芸術・文化の領域

というところです。

いわば、学校や社会でで教えてくれることのカウンターカルチャーとして
ロックやパンクが生まれるようなものでしょうか。

メインストリームがあるからこそ、サブカルチャーが生まれるのです。

現在の社会システムなじめなかった者、つまはじきになってしまった者、
公には活動できなくなってしまった者たちの居場所重要となってくるのが、
「サードプレイス」です。

現代でいうと、NPO、NGOの活動、地域のこども食堂などですね。

第一の場所:家庭

第二の場所:学校、職場

第三の場所:それ以外の居場所・コミュニティ・活動拠点

このサードプレイスで色んな人と対話を試みて、多様性を知るということが
人生を豊かにすると感じました。

私はつたないながらもオンライン読書サークルを主宰しています。
そんな豊かさをもたらせるようなサークルにしたいですし、
このサークルをもっと大切にしよう、そんなことを思いました。

ヴァーツラフ・ハヴェル『力なき者たちの力』 2020年2月 (NHK100分de名著)
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力なき者たちの力
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