笑いが止まらないくらい超面白い小説を読んだので紹介します。
著者:筒井康隆先生
筒井康隆先生と言えば『時をかける少女』が有名ですが、本領はブラックユーモアや風刺のようです。もとより私にとって本書が初めての筒井康隆先生体験なのですが!
注意
少しお下品な描写があるので苦手な方にはオススメ出来ません。
オススメポイント
本書は11篇からなる短編集なので、長編小説が苦手な方にもオススメ出来ます。
話によっては数ページのショートショートもあるのでスキマ時間の読書に適していると言えます。
本書はサブタイトルが“パニック短編集”で文字通り事件や事故が起こりそれに右往左往するおかしさが詰まっています。話によっては数行ごとに笑いが止まらなくなり、中々ページが進まなかったものもありました。
日本以外全部沈没
小松左京先生の『日本沈没』のパロディで、日本以外の国が沈没してしまい、世界中の人々が難を逃れようと日本にやってきます。たちまち日本は人口過密に!そこでの外国人の扱いはさながら奴隷のようで、日本人にへりくだりながら生活しています。そしてさらに襲い来る天変地異!パニック!
最初読み始めた時タイトルの横に「※印の登場人物は二八頁に解説があります」と書いてあり、どうしてこんなつくりになっているんだろう?と不思議に思いました。
答えは読み進め直ぐに分かりました。世界の偉人たちが次々に登場し滑稽なというか、ぞんざいなというか不謹慎な扱いを受けるのです・・・!
書き出しが
「おいおいシナトラが東海太郎のナンバーを歌い出したぜ」
ですからね。
他にもローマ法王が日本の官僚に頭を下げながら上野公園をくださいと懇願してるシーンなどあり、もうめちゃくちゃです笑
ヒノマル酒場
本書で私が大好きな話です。
一言でいうと「宇宙人コンタクティ」なのですが、宇宙人と接触するのは・・・大阪の下町の飲兵衛のくだまいたオヤジたちなのです。
一つ間違えば宇宙人と人類が戦争になってしまうかもしれない、マスコミ、警察、野次馬たちが固唾を飲んで見届けます。
しかし大阪の酒飲みオヤジたちは意に介さず・・・・これ以上言うとネタバレになるので伏せますが、数行ごとに笑いが止まらなくなりました。
アフリカの爆弾
この話も大好きです。
アフリカのとある集落に住む民族が中古の壊れかけの核ミサイルを担ぎながらアフリカ砂漠を横断する話です。(なんだそりゃ)
少しの振動や落下などが命取り、予断を許さない状況で民族たちはエッサホイサとミサイルを担ぎ故郷を目指します。
突っ込んでくるスポーツカー、襲い来る猛獣、そしてつり橋・・・!
コントのような設定でどうぞここで笑って下さい!というような仕掛け!これも笑いが止まりませんでした!
まとめ
以上、『日本以外全部沈没』の短編の中からオススメ3選でした!正直どの話も面白かったので是非興味を持たれた方はご一読下さいませ!
私は他の作品も読みたくなりました!
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