【本の要約・気づき】『ツァラトゥストラ』ニーチェ著――ルサンチマンとは何か。恨み、ねたみ、嫉妬はなぜいけないのか

読書感想

今回は、ドイツの哲学者

ニーチェの『ツァラトゥストラ』

についてまとめていきたいと思います。




ツァラトゥストラのあらすじ

本書は、

主人公のツァラトゥストラが

山にこもり修行し、

そこで蓄えた知識を

世の為、人の為、

旅をしながら分け与える

という物語形式になっています。



あちこちを回って人に教えを説き

救済する・・・というのは

キリストとの対比となっています。



どうもニーチェには、キリスト以上の価値を

のちの人類に贈りたいという壮大な思いが

あったようです。



その並々ならぬ思いは

ニーチェの生い立ちに

ヒントがありました。




本書を読み解くために

① ニーチェの生い立ち

ニーチェは牧師の両親から生まれました。

幼い頃から天才児と呼ばれ、

特に古典文学においては

右に出る者はいなかったそうです。



24歳にしてスイスの大学教授にまで

のぼりつめます。



しかし、初の著書が大コケしたり、

ザロメという女性と出会い恋に落ちますが、

友人と三角関係になり、失恋したりします。

また、晩年は孤独に過ごし、

精神を病みながら息を引き取ったといいます。



社会に出てからは順風満帆とは行かず、

晩年は寂しい人生だったのですね。




② ルサンチマンとはなにか

ニーチェのように、

人は挫折を味わえば

他人を恨んだり、

あのときああしていればよかった・・・

と後悔する気持ちにさいなまれたりします。



恨み、妬み、嫉妬・・・

それらを「ルサンチマン」といいます。



ニーチェはルサンチマンという心に

キッパリとよくないことであると

否定します。



なぜなら、

ルサンチマンの心にいつまでもいると

喜びを感じる力を弱くする

小さな幸せを感じられなくする

からといいます。



確かに、小さな喜びや、幸せ、成功体験は、

他人をうらやんだり、嫉妬していたりすると

感じられません。



ニーチェは、そのことを

人生経験で知っていたのですね。



そこで、キリストと対比するような

物語構造で、このツァラトゥストラを

著したのです。




まとめ

人間なら、誰しも一度は持つ感情「ルサンチマン」

ニーチェほどの挫折を味わえば

一生ルサンチマンという檻の中に閉じこもり

そこから出られなくなっても

不思議ではありません。



しかし、

ニーチェはそこから抜け出し、

後世にメッセージを伝えようとします。

その熱量にドキドキ、ワクワクしました!



(次回に続きます。)



ツァラトゥストラ〈上〉 (光文社古典新訳文庫)
ツァラトゥストラ〈上〉 (光文社古典新訳文庫)

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