【本の要約・気づき】『ペスト』カミュ著――海水浴=グレートマザー(太母元型)

読書感想

本書で、私が一番印象的だと思うシーンは、

タルーと、リウーが友情の証に

海水浴をするシーンです。




2人の海水浴は何を象徴していたか。

意見の違う2人の「共感」

2人はペストが蔓延する

封鎖された都市で

夜の海を眺めながら語り合います。



タルー、

人は神なしで聖者になれるだろうか



リウー、

私には、聖者であることを求める気持ちはない。

私が心を引かれるのは、「人間であること」なんだ。



タルーの誘いで2人は海水浴をします。

そこで、リウーは幸福感に包まれたといいます。




海水浴が象徴していたこと

海とは、グレートマザー(太母元型)です。

自然は、人が大自然に身を投じることで、

一個の人間であることを思い出させてくれます。



何かに絶望したとき、

最後の最後に

ありのままの自分をそのまま受け止めてくれるのは

大自然なのです。



タルー、

ペストの中で生きているだけではつまらないからね。



これは、私も常に思っていることです。

コロナ禍で、コロナに怯えて過ごすだけが

人生ではありません。



タルー、

もちろん、守ることも大事だ。

でも、愛するものがなくなったら

人生に何の意味があるというのだ。




このシーンのメッセージ

人は生まれたとき、

祝福されて生まれてきます。



ありのままの自分でいる。

ただそれだけのことで愛されていました。



しかし、常識や、社会の価値観が染みつくと

ありのままでいることを忘れそうになります。



このシーンで著者が伝えたかったのは

人がありのままでいるだけで

本当はそれがどんなに素晴らしいことなのか

という人間賛歌であると思います。




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