【本の要約・気づき】『菜根譚』 洪自誠著 ――逆境の中での学び、気づき――物事は常に多角的で、片側だけで判断すると不幸になる。

読書感想

今回は、現代人の私にも響いた人生訓

「菜根譚」から、幸福をテーマに

いくつかピックアップしてみます!




富める人は不安、貧しい人は安心 後集52

たくさんの財産を抱え込んでいる人は

失うものも多い。

早く歩く人はつまづいたときの怪我も大きい

心やすらかに後ろを歩く人には及ばない。



人生において、

道のはるか先を歩いている人を

うらやむことがあります。



しかし、人生で早く成功をおさめて、

地位を得た人が、ひとたび失敗したときは、

その損害は大きいものです。



この道理を分かっていれば

たとえ、今は他人に遅れをとっていても

心を落ち着かせて地道に進んでいけますし、

うまくいったときも安心していられるということですね!



とてもいい言葉ですが、同時に一つの疑問が生まれます。

結局、富める方がいいのだろうか、

貧しくいる方が幸せなのか、という疑問です。

その答えを次にピックアップしました。




形にこだわらない! 後集17

冨は浮雲のようなもの。

だからといって、ほら穴の中に住むような隠居生活はいけない。

世に出て生きよ。



いつか財産を失うなら、幸せにならなくたっていい!

なんて態度ではいけません。



人は社会的な生き物ですから、

人と関わり合って生きることが

望ましいということですね。




心の持ちよう 

幸も不幸も心の持ちよう 後集め109

幸せの境目も、不幸の境目も、自分で決めている。

たとえ幸せの中にいても、執着し過ぎると

苦しみの渦に飲み込まれる。

たとえ貧しい生活をしていても、見方をかえれば

幸せになれる。




物事の反面だけみていてはダメ! 後集120

子が生まれた日は、お母さんが危険にさらされた日でもある。

お金をためこんでいると、泥棒に取られてしまうかもしれない。

いかなる喜ばしいことも、心配ごとになりうる。




この2つは『菜根譚』の中でも特に好きですね。

物事は常に多角的で、一つの、自分が見えている面にだけ

執着していると間違えます。



物事の片側だけみていると、

幸福を見いだせないということですね。

(次回に続きます。)

菜根譚 (講談社学術文庫)
菜根譚』は今から三百数十年前、中国明代の洪自誠が人間いかに生くべきかを、様々な角度から論じた人生指南の書である。本書は、「儒・仏・道」の3教を根幹とする『菜根譚』の真髄を体得して日常生活の指針とするため、儒・道教の専門家と仏教、特に禅学を専...

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