ル・ボン『群集心理』( “群衆化” しないために)

読書感想

本書では、群衆が影響を受けやすいものについても取り上げられています。

それは「単純化されたもの」です。

魅惑と幻惑の「キャッチフレーズ」

例えば、「キャッチフレーズ」

政治家がよく用いる手で、日ごろわたしたちが不満に思っていることを

わかりやすい「キャッチフレーズ」にかえて、ものごとを「単純化」します。

例えば、

「なにかをぶっ壊す」だとか、

「コロナに打ち勝つ」だとか、

こういった「単純化されたもの」に群衆は影響を受けやすいのです。

また、

単純化された政党のキャッチフレーズに対し、

それに異をとなえる者たちについては、

「あいつらは邪魔をする敵だ!」とレッテル貼りをすることで、

容易に二項対立の構図を作り上げることができます。

物事をよくかんがえなくてもいいくらい

「単純化」、「区画整理」されているといえます。

テレビの常に表示されているテロップにも、

ものごとを単純化する「キャッチフレーズ」にあふれています。

(例:「感動のフィナーレ」)


群衆は真実であるかどうかは重要ではなく、自分が信じたいことを信じたい。

そこに魅惑の「キャッチフレーズ」が舞い込んでくると神のように崇めてしまうのです

ポジティブな側面

逆に、

この単純化された目標、キャッチフレーズを

正しい方向に使えれば “社会を改革・前進” させることができます。

Twitterのハッシュタグ運動などがそうですね。(MeToo運動など)

これを「連帯」と表現します。

「連帯」と「群衆」との明確な違いは、

それぞれに「問題意識」と「明確な意思」があることです。

目の前の問題に対して、大勢の人が言っているから恐らく正しいのだろう、

ではなく、

自分が本当に考えて、実行していることなのかを、自ら問う、

ことが大切ですね。

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