【本の要約・気づき】『菜根譚』 洪自誠著 ――逆境の中での学び、気づき―― 家庭円満の秘訣

読書感想

『菜根譚』より、

家族、人付き合いの処世術について

まとめました!




家族に腹が立つ! 前集96

家族が失態を犯しても、激怒してはいけない。

かといって、放置してもいけない。

春の風が、冬の氷を溶かすように、

時間をかけて、よきタイミングで

接してゆくがよい。

家族というのは、愛情でつながっていますが、

深い愛情が裏返ると憎しみに変わります。



感情が暴走すると、家族に使ってはいけない言葉で

暴言を吐いてしまうこともあるでしょう。



強い言葉を使うと、お互い引っ込みがつかなくなるので、

優しい言葉で時間をかけてわかってもらう方が

家庭円満になります。



これは脳科学的にも証明されています。

人は愛情を感じると、

「オキシトシン」という

神経伝達物質を分泌します。

「オキシトシン」には、気持ちがおだやかになったり、

心臓血管がよくなるなど健康効果が認められていますが、

相手と深く結びつくがゆえ、深い絆を乱すような行いが許せなくなり、

相手をコントロールしたくなるのです。

これはしばしば、夫婦、親子関係を描いた物語作品でもテーマになりますね。

空気を読む脳 (講談社+α新書)
職場で、学校で、なぜ日本人は「空気」を読むのか? 中野信子さんが脳科学をとおし、初めて日本人の心性と強みを読み解く。 「いじめ」「サイコパス」「キレる心」「だまされる心理」など、脳科学から人間を鋭く分析し、対処法をわかりやすく教えてきた中野信子さん。 本書では初めて、日本人の脳に迫ります。 「醜い勝ち方より美しい負け方...




和気あいあい! 前集21

家庭の中にこそ仏はいる。

誠の心と、和らいだ気、穏やかな顔つきと、優しい言葉。

親兄弟が身体が溶けあうように、気持ちが交流するように

つとめれば、ことさらに坐禅を組んで息をととのえる必要はない。

和気の精神を以ってすれば、坐禅の何倍もの効果がある。



これは心にズーン! と響きました。

私は無宗教ですが、仏教的な思想は好きで

関連書籍をよく読んでいます。



仏教では、厳しい修行を積んで浄土に行けた先に

仏がいてそこでやっと会えるわけですが、

この句だと、「家庭の中に仏はいる」ですからね!

これは凄い!



中国には「気の思想」というものがあります。

気は目には見えないエネルギーです。

大気中に、私たちの体内に流れています。

気は感応します。

一人が発する気が伝染するのです。



つまり、人付き合い、家族との付き合いの極意は

「和気」にあります!

和気あいあいなんて言いますしね!



これも科学的に説明がついていて、

自律神経は感応して人に伝わるのです。

参考文献

なぜ、「これ」は健康にいいのか? (サンマーク文庫)
女性の平均寿命が男性より長い理由。 季節の変わり目に風邪を引くメカニズム。 足裏マッサージやヨガと、健康の関係。 トップアスリートのパフォーマンスの高さの秘密。 これらはすべて「自律神経」で説明することが可能です。 自律神経は、じつは私たちの健康を司る存在で、 血流を支配し、すべての細胞、ひいては臓器をもコントロールし...



(次回に続きます。)

菜根譚 (講談社学術文庫)
菜根譚』は今から三百数十年前、中国明代の洪自誠が人間いかに生くべきかを、様々な角度から論じた人生指南の書である。本書は、「儒・仏・道」の3教を根幹とする『菜根譚』の真髄を体得して日常生活の指針とするため、儒・道教の専門家と仏教、特に禅学を専攻する学者の2人が、長年に亙り原典を全面的に見直し、これを究明し、その成果を新た...

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