ツァラトゥストラ ニーチェ著 ―― 比較ばかりしていると、温かい沼に陥る。

読書感想

今回は、ニーチェの思想は、

現代の私たちにどういった

メッセージを与えるか

についてまとめていきます。




コロナ禍という「失われた時代」に生きる私たち

現代には、

強い父性を感じられる存在はいませんし、

「戦後の復興」のような、国家単位の目標もありません。

何を目標に生きていいのかわからない時代、

といってもいいでしょう。



そして、

コロナ禍が私たちの心に

大きな閉塞感をもたらしています。



学生たちは授業がオンラインになったり、

イベントがことごとく中止になっています。



現代の若者は失われた時代――

ロストジェネレーションと

いってもいいかもしれません。



コロナ禍になってから

大学生活を始めた人は

その半分の年数を

オンラインで過ごしています。

あまりにむなしいと思います。




「比較」して生きると苦しい

それでも、

社会の基準というのは容赦がありません。

学校の成績、試験、受験、

就職活動、婚活などなど・・・



社会的な基準で生きている限り、

私たちを苦しめ続けます。



現代人は、

ニーチェのいうように、

イキイキと生きる、

というよりは、

周囲よりも損をしないように、

周囲から脱落しないように

周囲を気にしながら生きています。



思考が「比較」になっているから

こういうことが起こります。



どこかで、無根拠に、

社会的な基準に依拠することなく、

自分を抱きしめる必要があるようにおもいます。



そして、自分に問いかけるのです。



「あなたはどんなことをしたらワクワクする?」


この問いかけから始まる生き方こそ、

ニーチェの思想の取っ掛かりだと思います。



そして、人は決して一人で生きているのではない。

どん底かもしれない自分を、無根拠にでも肯定した瞬間

周囲のことも肯定できるようになります。



もちろん、いきなり大きく心を転換することはできません。

はじめはほんの小さな一歩でいいと思います。

それが、「比較」からの脱却であり、

ニーチェの思想の理想形だと思います。


ツァラトゥストラ〈上〉 (光文社古典新訳文庫)
ツァラトゥストラ〈上〉 (光文社古典新訳文庫)

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