【本の要約・気づき】『戦争論』ロジェ・カイヨワ著――なぜ、人類は戦争をするのか(ロシア、ウクライナ)Part1

読書感想

本書は、「人類はなぜ戦争をするのか」

「そもそも人類には向かう戦争に傾きがあるのではないか」

ということを人類学の視点から解き明かそうとした本です。

民主的な国家の誕生が、戦争を万人のものにした

原始的な戦争では、集落、部族同士で

領土を奪い合うといった程度のものでした。


中世の時代では、

王族・貴族たちが特権階級を持ちます。

しかし、それに不満を持つ民衆たちが

転覆を企てます。


王族・貴族が倒れると、

国家は一部の特権階級の物ではなくなり、

国民国家が誕生し、民主化が進みます。


国民国家が誕生すると、

周辺の王政国家が襲ってくるようになります。


よって、戦争は、国家間の、

国力のぶつけあいへと

発展します。

それまでの戦争と「国民戦争」の違い

それまでの戦争

原始的な戦争、すなわち部族間同士の争いや、

貴族戦争では、兵士の数や、投入される予算

リソースに限りがありました。

国民戦争の場合

国民戦争となると、

兵士は、民衆全員となります。

国民国家は、民主なので、国民全員が国家を守るからです。

投入される予算、リソースも国家規模なので

際限がありません。


戦争によるダメージは、

原始的な戦争とは

比べ物になりません。

まとめ 民主化によって、戦争は国家規模となった

民主化によって、戦争は万人のものとなり

国力のぶつけあいへと発展したとは

驚きました。

本書では、今までの常識にパラドックスが起きる

興味深い内容となっています。

(次回に続く)

ロジェ・カイヨワ『戦争論』 2019年8月 (NHK100分de名著)
人間はなぜ戦争を避けることができないのか 第二次世界大戦後、数年の時点で書かれた本書は、戦争の不可避性を「文明の発展」と「集団的人間の特性」から分析、国際的な反響を得た。二度の世界大戦を経ても、なぜ「懲りない」のか。戦争を惹起する、非合理な人間の全体性とは。国家に飲み込まれない「個」の在り方を、人類学的視点から考える。

NHK 100分de名著で紹介された際の、番組テキストです。

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