本書は、「人類はなぜ戦争をするのか」
「そもそも人類には向かう戦争に傾きがあるのではないか」
ということを人類学の視点から解き明かそうとした本です。
民主的な国家の誕生が、戦争を万人のものにした
①
原始的な戦争では、集落、部族同士で
領土を奪い合うといった程度のものでした。
②
中世の時代では、
王族・貴族たちが特権階級を持ちます。
しかし、それに不満を持つ民衆たちが
転覆を企てます。
③
王族・貴族が倒れると、
国家は一部の特権階級の物ではなくなり、
国民国家が誕生し、民主化が進みます。
④
国民国家が誕生すると、
周辺の王政国家が襲ってくるようになります。
⑤
よって、戦争は、国家間の、
国力のぶつけあいへと
発展します。
それまでの戦争と「国民戦争」の違い
それまでの戦争
原始的な戦争、すなわち部族間同士の争いや、
貴族戦争では、兵士の数や、投入される予算
リソースに限りがありました。
国民戦争の場合
国民戦争となると、
兵士は、民衆全員となります。
国民国家は、民主なので、国民全員が国家を守るからです。
投入される予算、リソースも国家規模なので
際限がありません。
戦争によるダメージは、
原始的な戦争とは
比べ物になりません。
まとめ 民主化によって、戦争は国家規模となった
民主化によって、戦争は万人のものとなり
国力のぶつけあいへと発展したとは
驚きました。
本書では、今までの常識にパラドックスが起きる
興味深い内容となっています。
(次回に続く)
Bitly
NHK 100分de名著で紹介された際の、番組テキストです。
コメント