100分de名著『資本論』をもとに考えや気づきを述べます。
「幸福」と「冨」は別物である。
人間は自然と共生して生きてきました。
この共生は「労働」ともいえます。
例えば、
動物はお腹が空いたら食べ物を獲りますが、
人は、食べ物がなくらないように制御したり、
来年もおいしく食べられるように工夫をします。
これは人が自然との共生を考えてのことです。
しかし、
「賃労働」という資本主義的な概念に替わったとき、
自然との共生のバランスを崩します。
より拡大して生産する、より効率的に生産する、
より商品価値をつけて高く売るというのが資本主義のありかたですからね。
そうすると、犠牲になってくるものがあります。
例えば、
お金を持っていない人たちははじき出されますし、
企業がお金儲けに走ると環境問題がないがしろにされます。
「物」が「人」を振り回す。
また、商品に振り回されるという異様な事態にもなります。
例えば、
自分で机を作ったとき、その上で食事をしたり、本を読んだりできます。
しかし、
物に値段が付き、陳列棚に置かれると、物が私たち人間を振り回します。
あたかも商品が動き出すかのように。
資本主義の暴走例を身近なものに例えると、
CDに握手券をつけて射幸心を煽り、何十枚も買わせるといったことがあります。
CDは1枚あれば足りるのでその他は資源のムダになっています。
ここで、一度立ち止まって考えなおしてみるのに
マルクスの『資本論』は一役買っています。
一度立ち止まって考えてみると、
「商品と冨(豊かさ)は別物である」
ということに気づかされます。
(次回に続きます。)
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