大乗仏教の教典「維摩経」を読みました。
「縁起」とは、私たちはさまざまな関係性のもとに
成り立っていて、生かされているという考え方です。
この「縁起」を発展させたものが「空」になります。
「悟り」というゴールはない!
主人公、維摩曰く、
「悟りの世界は通常の知恵では認識できない」
ということを教典の中で表現します。
出家者たちは「悟り」を開くために、
永い時間をかけて努力したり、勉強したり、
しますが、それでも辿りつくことが難しい。
逆に言えば「答え」が存在して、
そこに行くための道しるべや、努力の方法が存在して
ゴールに到達してしまったら、
そこで努力を終えてしまい、
努力を怠ってしまうのではないかと思いました。
「空の実践」と「縁起の実践」
「悟りを開く種があるとしても
空中では芽を吹かず花も開かない」
「泥の中にあってこそ
芽を出し、花が開くように
悟りなしに迷いもなく、迷い無しに悟りもない」
周りに泥があるからこそ花は開くという考え方です。
漫画スラムダンクの安西監督の名言
「お前のためにチームがあるんじゃねえ、
チームのためにお前があるんだ」
に似ていますね。
「維摩経」の解説によれば、
「こだわりのない心で慈悲の活動をすれば
人々に恵みを与える「空の実践」になる」
一心不乱、フロー体験、ゾーンといったところでしょうか。
そして、
「様々なコミュニティに関わることを「縁起の実践」」
といいます。
また、それにしがみつかないことが「空の実践」になります。
地縁・血縁が薄れた現代に「縁起の実践」・「空の実践」という二本柱が重要になります。
わたし自身、ないがしろにしがちです。
しかし、さまざまな関係性によって生かされていると考えれば
大切にしなければならないことですね・・・!
とても勉強になりました。

『維摩経』 2017年6月 (100分 de 名著)
『維摩経』 2017年6月 (100分 de 名著)

法華経 2019年11月 (NHK100分de名著)
釈迦がほんとうに伝えたかったこと アジア諸国で「諸経の王」として広く信奉されてきた「法華経」。日本でも仏教界は勿論のこと『源氏物語』や松尾芭蕉、宮沢賢治など文学にも影響を与えてきた。サンスクリット原典から日本語訳を果たした著者が、宗教書にと...
関連記事
関連記事
コメント